ブラックホール

今まさに上司の目を盗みメモ用紙に筆を走らせる…
何ともスリリング。その緊張感、脱獄を図る囚人そのもの。スリルの極みである。

風邪は治ったものの、まだ完全復活状態ではない。
若干の熱っぽさ…まぁ、初恋のような微熱。

ワシ…なんてセンチメンタル。

だるさと薬のせいで…すこぶる眠い。
眠すぎていつものように白目をむいて仕事をする訳だが…
あまりにもの眠たさゆえ…白目が更にもう一周回り、また白目になっている。

とことん白目なのである。

おまけに目蓋も下から上に閉じる勢い。
今ワシを生物学的に分類すると…は虫類に属するだろう。


なのかどうかは置いといて…

何故にそんなスリリングな思いをしてまで日記を書くのか…
何せ１日のうち、半日以上を会社で過ごすワシは家に帰ってからでは考えている時間がないのだ。
なので時間を有効に活用している。

お婆ちゃんの知恵袋的発想だ。

しかしもし…これを発見され没収されたなら…
そして…読まれてしまったら…

まだ未公開の文章…著作権で守られていないワシの言葉達は…
たちまちパクられ…

「製造課長日記」として生まれ変わり…世に公開されてしまう。

ちくしょう…なんて奴だ。ウィニーよりたちが悪い。
まったくもって恐ろしい情報化社会。
ワシの…か弱い言葉達とメッセージを言葉巧みに操り、あたかも自分の考えのように…

こんな事を許してしまっていいのだろうか…
これぞ現代社会が生み出した暗黒の世界。

現代社会のブラックホールなのだっ！

 

 

でも、仕事中だぞ。

 

 

あい。

おっしゃる通りです。

 

 

 

そしてワシは今日も挙動不審にメモを取る…
この不審者を見かけたら…１１０番。